【単発】外国産シリーズ:メンガタメリークワガタ編
目次
メンガタメリークワガタってどんなクワガタ?
非常にユニークなアフリカのクワガタです。
♂の頭楯の上に相当する位置に発達する頭部の大きな衝立状のでっぱりが特徴的で、盾のようになっています。
他のクワガタムシと同様、この盾は大型の個体になるほどに発達し、♂同士の争いで相手から挟まれる事を防ぐようナチュラルデザインされています。
黄褐色の体色は太陽光線に含まれる熱線の吸収を穏やかにする適応の結果であり特に日光と生体活動が密接にリンクしているクワガタです。
休眠期間は強い日光を浴びることで解消され活発な活動を行うようになります。そうでない場合の休眠期間は大変長く約6ヶ月〜8ヶ月近くも続きます。
アフリカのクワガタですが産卵に伴う習性は日本のコクワガタに類似し産卵時には産卵痕を残します。
やや柔らかい材質の朽木を好むようですがあまり樹種にはうるさくありません。
実際に成績が良いものを挙げますと以下の通りです。
- タマチョレイタケ科によって腐朽したいわゆる桜のカワラ材
- ヒラタケによって腐朽したヤナギ材
- 柔らかく腐朽したエノキ材
クヌギのホダやコナラのホダ(一般に流通している朽木)でもしっかり産んでくれますがリグニンがしっかり分解されているものを使用して下さい。
※繊維質だが粉を吹いたような柔らかい材がオススメです。
繭玉を形成し蛹化する種類であり、繭玉に関しては乾燥状態好みます。
飼育の際はあらゆるタイミングでアフリカの雨季と乾季の存在を念頭に置いて下さい。
乾季を耐える繭玉や産卵痕(雨水を窪みに保持する役目)、長い休眠期間などアフリカの気候とリンクした分かりやすい生態を持つクワガタです。
繭玉を作ると、外部から見えなくなるためすぐに分かります。
成熟後の♂は雄々しく立ち、触覚を長く伸ばし、ピコンピコンと動かす姿はかっこよさと他のクワガタにない可愛さを持っています。
菌糸で大きくなりますが前述した通り、ベチャベチャになると蛹化不全を起こしますので安全に育てたい場合はやや水分量を調整したマット飼育がオススメです。
生オガマットもよく食べますがシカクワガタ系ほどの効果は望めません。菌床系のマットの方が大型が見込めます。
♀は早期羽化も多いため繭玉管理、割り出し管理は時期を見つつ行い、羽化ズレが起こらないようにする工夫が必要です。
数頭しかおらずかつ♂が、又は♀のみが活動を開始してしまい、もう片方の休眠が解けず累代が途絶えそうな際は緊急対処にはなりますが白熱電球、白熱灯で体表温度30度〜33度程度になるように定期的に照らして下さい。
LEDでは効果がないので注意。うまく行けばペアリングまで持っていけるでしょう。ただし活動開始後の寿命は短めです。タイミングを見計らって行うようにしてください。
飼育温度帯も20度〜とシビアではないので興味のある方はぜひトライ!
まとめ
飼育難易度 | 低め(コクワガタ程度。ただし低温注意) |
飼育温度 | 20-28度 |
休眠期間 | 6-8ヶ月が多い |
幼虫餌 | 菌糸、生オガマット~こげ茶手前程度の発酵度合いのマットまで広く適合 |
大型を望むなら | 菌糸飼育 |
繭玉管理 | 乾燥気味 |
羽化後の管理 | 繭玉状態か、ミズゴケ、ティッシュなど水分保持出来る状態で管理 |
特性 | 日光(紫外線)と温度で休眠解除 |
♀殺し | ほぼないが餌切れ時はやや♂が荒れる |
同居 | 顎縛り必要なし |
産卵 | 材の表面産み、材ころがしでOK |
産卵セットの作り方 | 水没させず木口から水を吸わせた材を適当なマットの上にころがし、マットを上から被せて放置。オオクワガタやコクワガタに近い。埋めても良いが必要ない。 |
好む材 | 柔らか目、筋張った物は好まない。割り出し時に手で割り出せるくらいだと尚良い |
♀の取り出し | 産卵痕がいくつも確認できたら♀を取り出し、別の産卵セットにあてがう |
割り出し | 1ヶ月放置の後、割り出し、卵で割り出す必要性は特段ない |
幼虫の共食い | 殆どないが2令で小さい材に過密は避けるべき |
♀の子食い | ゼリー切れでややある。表面産みのため注意を払う必要あり |
産卵セットに♂を入れる必要 | なし |