昆虫ブリード用語辞典

昆虫飼育での専門用語をまとめました。
初心者の方も飼育歴がある方も、ぜひご活用ください。

ア行

アウトラインブリード
別血統の雌雄を交配させること。

アオカビ
マットや材に生える青いカビ。♀が産卵状態に入ると♀が出す抗菌物質に駆逐されるが幼虫飼育中のマット内部や菌糸瓶内部で発生すると致命的となることもある。

赤枯れ材(あかがれざい)
褐色腐朽菌によって腐朽したリグニン含有割合が高い茶褐色の材。結合部であるセルロースが少ないためボロボロと板状に崩れることが多い。ネブトクワガタやマルバネクワガタの餌や産卵材の材料となる。

亜終齢・亜終令(あしゅうれい)
次が終令(しゅうれい)である幼虫を指す。二令(にれい)幼虫と同じ意味である。

アゴずれ 
クワガタが大アゴを閉じたときに上下に段差が生じることや左右非対称である場合を指す。一種の軽度羽化不全。

暴れ(あばれ)る
幼虫が飼育環境であるマットや菌糸瓶の中で接触を伴わない掘削活動を行い、培地をかき混ぜてしまう事。 多くは3令幼虫に見られる。蛹化目前の幼虫に起こりやすい。要因として温度不適切、ガスの発生による酸欠、培地の硬度不良などにより発生する。体力を消耗しカロリーを消費するため体重が落ちること、菌糸瓶の培地がダメになってしまうことから嫌われる。

居食い(いぐい) 
クワガタ幼虫が飼育環境の菌糸又はマットの中で1箇所に留まり落ち着いて反芻を繰り返すこと。幼虫が動き回らず、カロリーの消耗が少ないこともあり大きく育つといわれる。

一年一越(いちねんいちえつ)
幼虫で越年し翌年羽化、そのまま蛹室内で越年し、その翌年に活動を始めるサイクルのこと。 幼虫で二年を越年する場合は二年一越(にねんいちえつ)、3年の場合は三年一越(さんねんいちえつ)という。

一年一化(いちねんいちか、いちねんいっか)
幼虫で越年、翌年羽化してその年の適齢時期に活動を始めるサイクルのこと。幼虫で二年を越年する場合は二年一化(にねんいちか、いっか)、3年の場合は三年一化(さんねんいちか、いっか)という。マルバネクワガタ属などは飼育下でも二年一化、三年一化が発生するため飼育に根気が必要となる。

色虫(いろむし)
ドルクス属などの黒色のクワガタではなくキンイロクワガタ属に代表する色合い、発色の激しい昆虫のこと。身近な例ではパプアキンイロクワガタやニジイロクワガタなど。

インラインブリード
同血統の雌雄を交配させること。

羽化不全(うかふぜん)
羽化の際に様々な要因により完全な正しい形で成虫になれなかった状態のこと。軽度のものから重度のものがあり、後者は短命である。

羽化ズレ(うかずれ)
♂と♀の羽化時期が離れていること。ペアリングを見込んでいた雌雄で起こると種によっては片方が先に寿命が来てしまうこともある。

埋め込みマット(うめこみまっと)
産卵セットを作成する際に産卵材を埋め込むための培地となるマット。一般的にはホダ木を粉砕したままの粗いものが市販されている。一般的に専用性はなく広葉樹であれば殆どのマットで代用することができる。

ウロ(うろ)
木の内部にできた空間のことです。クワガタが好むクヌギやコナラなどの木のウロはクワガタだけでなく様々な昆虫の住処になります。

エクボ 
成虫の体に出来たくぼみのこと。ディンプルと呼ばれる場合もある。

越冬(えっとう)
幼虫、成虫がその姿のままで低温な冬を乗り越えること。コクワガタなどは幼虫が越冬する時は体が凍らな いよう体内に不凍液(ふとうえき)を満たすことで冬の寒さに適応しています。ただし全てのクワガタに備わっている機能ではなく、まったくその機能を持っていないクワガタもいます。また同じ場所で冬に採集した幼虫でも不凍液で満たされているか否かは個体差が見られます。

エノキ材(えのきざい) 
ニレ科の落葉高木。柔らかく均等に朽ちやすいため綺麗な天然木を採取することはやや難しいが産卵材として優秀。大量流通はしない材。

F1(えふわん、えふいち)
血縁関係のない個体同士の子孫。
業界で使用されるが統一規格、単位ではない。

F0(えふぜろ)
採集した幼虫を飼育下で羽化させた個体を指す。
WDF0(わいるどえふぜろ)との表記もある。
業界で使用されるが統一規格、単位ではない。

追い掛け(おいがけ)
既に交尾が済んでいる又は済んでいる可能性のある♀に対し、追加で♂をあてがい交尾させること。♀の不産卵が認められた際に未交尾を疑い、追い掛けしました。等と使われる。

オガコ
広葉樹を粉砕し小さな粒(粉)にしたもの。粒度によってはおがくずとも。

落ちる(おちる)
生育過程で死んでしまう事

カ行

カワラ種(かわらしゅ)
主にカワラタケの菌糸で飼育されるクワガタの種類のこと

カワラ材(かわらざい)
主にタマチョレイタケ属によって朽ちた木材。産卵木、剤飼育に使われる。菌によってリグニンが分解され、セルロース由来の白色を示す一般的な白色腐朽菌によって朽ちた材。幼虫が食すのに適した状態となっている。

ガス抜き(がすぬき)
発酵マットは適温である限り、袋の中でも常に微生物による分解を続けています。つまり微々たるものであっても発酵、腐敗が起こり続けており、その際に発生したガスを使用前に取り除かなくてはいけません。使用の1~3日ほど前に、トロ舟、たらいなどに広げて空気と接触させガスを取り除きます。特に使用する際にマットに熱がこもっている場合、ツンとした匂いや甘いアルコール臭がした場合は発酵中の可能性があるので、熱が冷めるまで様子をみてから使用することをお勧めします。

完品羽化(かんぴんうか)
ディンプルや軽微な羽パカもなく、きれいに羽化した状態を呼びます。

休眠(きゅうみん)
羽化した後、活動せず蛹室内で留まっている状態。又は温度低下などにより著しく活動が鈍くなった状態。後者はしばしば越冬と混同使用されている。

菌糸ビン(きんしびん)
オオヒラタケやカワラタケなどの菌糸を瓶に詰めた広葉樹のおがくずに植菌したもの。元はキノコ栽培用の瓶が改良されたものでありクワガタ用に添加物、水分量などが調整されている。

菌床ブロック(きんしょうぶろっく)
菌糸ビンの中身だけをブロック状に固めたもの。崩して容器に入れて使用する。産卵木の代わりとすることもあり用途は多岐にわたる。

食い上がり(くいあがり)
幼虫が培地、マットを食べながら、徐々に飼育ケース、ボトル、ビンの上部へ移動してくること。菌床飼育の場合によく使われる。

牽制音(けんせいおん)
幼虫が足を擦りあわせる、又は顎を開閉しカチカチと発する音。エコーロケーションのような役割があり、朽木内部で互いの所在を知らせることで接近を避け、適切な成育空間を確保しようとする。飼育下のマットでは正しく機能しない。そのため多頭飼育下においては幼虫は接近を避けるための運動を繰り返すことになる、あるいは他個体との接近の多さなどから環境が過密である、生育に適さない環境であると判断し、羽化を早め小型の成虫となりやすい。これは飛翔に適した体型となることで現在の不適な環境から移動するためであると言われている。

原名亜種(げんめいあしゅ)
分類学上、亜種(あしゅ)の中で最も一般的な種のこと。 基準亜種(きじゅんあしゅ)、基亜種(きあしゅ)と同意の用語である。

交雑個体(こうざつこたい)
亜種同士の関係で交尾・産卵が発生し又は人為的にペアリングさせて誕生した個体。サイズを伸ばすために外見や特徴の似た外国産クワガタを国産クワガタと交雑させ、その子孫を純国産であると偽ることで高値で販売したりブランド化したりする手法が存在する。自然界でも稀に発生するため遺伝子汚染やその他の問題から外国産クワガタを野外へ放虫する行為は厳禁である。

後食(こうしょく)
成虫になってから一定期間が経過し、内臓組織が整いエサを食べ始めること。羽化直後の成虫は生殖器官を含めた内臓組織が完全ではない為、蛹室で一定期間過ごす。

サ行

材採集(ざいさいしゅう) 
立ち枯れ・倒木などの中に生息する幼虫・成虫を材を斧や鉈で割って採集すること。クワガタブーム全盛期には山への不法侵入や木を破壊する行為などが相次ぎ、社会問題となった。

採集圧(さいしゅうあつ)
採集者が多いことで、そのポイントに付く虫が減少していること、又は付いてもすぐ採集されてしまう状況のこと。

材飼育(ざいしいく)
飼育材(主に朽木)に幼虫を潜らせ、自然に近い形で飼育する方法。外部から状態がわかり辛い欠点があるが押し固められたマットと異なり木質スポンジ構造により適度な通気があることで嫌気発酵やガス発生のリスクがなく、蛹室も木質孔を糞で埋める形で滑らかに作られるため美形な個体が作出できるとされる。大型の材であればマットよりも多投飼育下での良い作出結果が得られる。これはマットに比べ幼虫同士のエコーロケーションが適切に機能することでストレスなく幼虫同士が接近を避け、棲み分けできることによる余分な運動量の減少や過度な接近による共食い、噛み事故の防止効果によるものである。

採卵(さいらん)
メスに産卵(さんらん)させること。

産地(さんち) 
採集地又はその個体が採集された地域のこと。クワガタの産地分けが行われ始めた背景には地域ごとの形態の差異の発見、保存のための動きと、ブランド化することで利益を生み出そうとする動きによるものがあった。今では産地分けや産地表記は当たり前となっている。

産卵痕(さんらんこん) 
産卵のために材を削った痕跡。産卵しているのか否かの判断材料にもなる。コクワガタなどは( 〇 )このようなマークを刻む。種によりそのマークは大きく異なる。役割は水分(水滴)を卵の周りに保持することで、土壌に埋没していない倒木に産卵するクワガタが産卵痕を残す傾向がある。

産卵セット(さんらんせっと)
クワガタ・カブトムシが卵を産む環境を人為的に作成した飼育セット。
産卵木に産卵するものやマットに産卵するものなど、種によって異なるため、種に適した用品が必要であり、温度や湿度も考える必要がある。

産卵木(さんらんぼく)
メスが産卵する為の朽木。主に原木椎茸栽培に使用されたクヌギやコナラのホダ木を指すことが多いが天然材(野外で採取した材を使う場合もある)

3令幼虫(さんれいようちゅう)
2令幼虫が脱皮した幼虫。終令(しゅうれい)幼虫とも言う。

CB(Captive Breed)(しーびー)
直訳すると、管理下での繁殖。養殖個体。
業界で使用されるが統一規格、単位ではない。

CBF1(しーびーえふわん、えふいち)
とは、血縁関係のない養殖個体同士の子孫。
業界で使用されるが統一規格、単位ではない。

上翅(じょうし)
前翅(まえはね)、翅鞘(ししょう)とも呼ばれ、昆虫の上はねの事。

食痕(しょっこん)
虫が食べた痕。クワガタ・カブトの世界では主に幼虫の食べ痕や糞そのものを指すこともある。

使用済み(しようずみ)
既にペアリングに使った虫

初令幼虫(しょれいようちゅう)
卵から孵化した幼虫。1令幼虫とも言う。幼虫期に脱皮を繰り返し2令幼虫、3令幼虫(終令幼虫)へと成長していく。

自力ハッチ(じりきはっち)
飼育下において羽化した成虫が成熟し、自力で蛹室を破壊し活動を開始すること。又は出てくること。

雌雄型(しゆうがた)
雌雄両性の特徴が現れた奇形個体のこと。右の顎は♀、左の顎は♂などのケースが見られる。クワガタの場合左右にその特徴の違いが現れることが多いがカブトムシでも発生する。雌雄嵌合体、モザイク個体ともいう。

人工蛹室(じんこうようしつ)
前蛹や蛹の状態で飼育ケースから掘り出し、管理するための飼育者が作った蛹室のことを言います。タッパやプラケースに合わせてオアシスやスポンジ、ティッシュ、ペーパー芯を使って作成します。

新成虫(しんせいちゅう)
羽化して1年以内の成虫のこと。多年生の昆虫を区別する際に使用されるがオークションやネット販売においては厳密ではなく今季羽化したものを総称して新成虫と呼んでいるケースもある。

成熟(せいじゅく)
性成熟を指すことが多い。後食後、しばらくしてから生殖機能が整うが個体差がある。

積算温度(せきさんおんど) 
幼虫が成虫になるまでの平均温度/日×要した日数

セミ化(せみか) 
セミの幼虫のように本来の正常な蛹化への移行期間を経過しても蛹化しない幼虫を指す。主に本来、四季のある環境で暮らしているクワガタを恒温で飼育すると発生することがある。死亡率は高いが必ず死ぬわけではなく対応によっては3年経過した幼虫でも蛹化、羽化までたどり着くこともある。

線虫(せんちゅう)
線形動物門(Nematoda)に属する動物の総称。 昆虫飼育において発生する多くは基本的に細長い形をして透明がかっており、窒素分が高まると爆発的に増殖します。窒素分すなわちタンパク質に集まる傾向があり、マット内部で死亡した幼虫を放置している場合、群がっていることもあります。 種によってはケース内側に付着した水滴内で生存している場合もあり単体駆除は困難を極めます。マットの冷凍により駆除できますが一部の卵は冷凍にも耐えるため、大発生した場合はマットごと交換する必要があります。

潜洞性(せんどうせい)
木の洞や穴などの中を好む性質、傾向があること。

前蛹(ぜんよう)
蛹室(ようしつ)内で移動や食事をしなくなった状態の幼虫。目印として体が硬直し真っ直ぐとなり脚が動かなくなる。非常にデリケートな期間。

即ブリ(そくぶり)
性成熟済みのいつでもペアリングが行える状態の個体を指す。

タ行

立ち枯れ(たちがれ) 
木が立ったままの状態で枯れること

多頭飼育(たとうしいく)
複数の個体を同じケースで飼育すること(幼虫、成虫どちらにも使われる)幼虫を多投飼育すると小型になりやすい。

脱皮(だっぴ)
幼虫が初令から2令、2令から3令になる際に皮を脱ぐ事。

ダニ
クワガタ、カブトムシに付着するクワガタナカセを始めとする飼育下において発生するダニ亜綱もしくはダニ目の総称。クワガタの体表に付くダニはその多くが無害であるが、マット内に発生する種類の中にはクワガタやカブトムシの卵を捕食する種類もいる。多くはマットの冷凍で駆除できる。

種親(たねおや)
ペアリング(交尾)に使う虫のこと

短歯(小歯)(たんし、しょうし) 
あごが中歯よりさらに短い個体

長歯(大歯)(ちょうし、だいし)
顎が長く発達した個体

中歯(ちゅうし)
顎が長歯ほどは長くない個体

土繭(つちまゆ) 
土を塗り固めて球状にし、中に蛹室を作ったもの。繭玉と同意。カナブン、ハナムグリ、ネブトクワガタ、ツヤクワガタなどが当てはまる。

ディンプル(でぃんぷる)
成虫などの体の表面にできるくぼみやシワの事。後翅にできることが多い。主に蛹室内の環境障害の他、混血による雑種にもよく生ずる。(例として外国産クワガタと国産クワガタの雑種では蛹化~羽化までの本来の適正温度と相関した体の発達速度が異なるため、翅の縮みやディンプル、しわが生じやすい)

添加剤(てんかざい)
マットを醗酵させる際に使用する醗酵促進剤。小麦粉やフスマを使用することが多い。

点刻(てんこく)
成虫の体に現れる点状の線のような模様。♀の種の判別や幼虫の種の判別の基準の1つにもなる。

同定(どうてい)
動物や植物の分類学上、その種に含まれるかどうか認めること。クワガタの♀は見た目が種類を問わず類似していることも多いために判別時に同定作業を要するケースがある。

同腹(どうふく)
同じ両親から生まれた兄弟姉妹。雌が同一でも雄が異なる場合は同腹異父となる。

ナ行

内歯(ないし)
顎の途中に突き出た歯

内歯上がり(ないしあがり)
内歯が先端に寄っているもの

内歯下がり(ないしさがり)
内歯が根元に寄っているもの

二次発菌(にじはっきん)
1度発菌した菌糸(一次発菌)を崩し、再度詰めなおして発菌させたもの、その際の発菌そのものを指す。

2令幼虫(にれいようちゅう)
初令幼虫が脱皮した幼虫。

ニョロ(にょろ)
幼虫のこと。単位として1ニョロなどと使う場合もある。

粘菌(ねんきん)
移動するという動物的な性質を持ちつつも、胞子によって繁殖する植物的な性質をもあわせ持つ単細胞生物です。カビに近い見た目をしていますがクワガタ飼育においてはまるでケースの縁を這いずるように拡大していきます。直接成虫に害はありませんが大量に発生した場合は飼育ケース内の環境変化などにより幼虫が死亡する例もあります。

ハ行

醗酵マット(はっこうまっと)
広葉樹の朽木を粉砕したものが醗酵したもの。

爆産(ばくさん) 
飼育下において、産卵セットから期待以上あるいは管理能力を超えるほど多くの卵を産んだ事を表す語。「多産」と似た使い方になるがいずれも飼育者の主観に依る。

バクテリア 
昆虫飼育においてはマット内や生体の体内に生息する細菌のこと。クワガタ、カブトムシの幼虫は複数のバクテリアと共存関係にあり、例を挙げるとコクワガタの体内に存在するバクテリアは空中窒素固定を行い、空気中から窒素を得ることでタンパク質を合成します。これをコクワガタは利用しています。またバクテリアは親虫から子供へ産卵時の卵殻に塗り付けられることで引き継がれ、親の虫が食べてきた培地や朽木をより消化しやすい腸内環境を初期から形成することができます。飼育下では親虫がヒラタケ菌を食べて育った場合はその子供もヒラタケ菌でスムーズに生育することが知られています。逆に親の培地と全く異なる餌を与えたことでバクテリアが対象の餌をうまく分解できなかったりすることで発育不良を起こすケースもあります。

羽パカ(はねぱか) 
羽化個体の上翅が会合線に沿ってきれいに閉じず隙間が開いてしまった状態を指す。軽度から重度のものまであり一種の羽化不全。

P(ぴー )
虫の両親をPと表記する。Pはラテン語のParensで「親」の頭文字。

孵化(ふか)
卵が幼虫になること。

跗節(ふせつ)
節足動物の足の先端にある節のこと。

不凍液(ふとうえき)
冬を乗り越えるために幼虫が体内に作り出すたんぱく質。Antifreeze protein(AFP)と呼ばれる。コクワガタなどはこれにより自然界で0度を下回る環境でも幼虫のまま、凍らずに越冬することができる。

フレーク
泥状に朽ちた木のこと。その多くが褐色腐朽菌によりセルロースの結合を失った木腐植質を指すが白色腐朽しバラバラになったマットと同じ意味としても使われるケースがある。

ブロー容器(ぶろーようき)
幼虫飼育用の円筒形の飼育ケースのこと。その多くが手で押すと凹むポリエチレンテレフタレート(PET)で作られており、手で押しても凹まないような硬質なケースをブロー容器と呼ぶことは昆虫飼育においてはあまりありません。

ペアリング(ぺありんぐ)
人為的に交尾させること。又は交尾を見込んで雌雄を同一ケース内で同居させること。

放虫(ほうちゅう)
虫を外に逃がすこと。環境的な問題の1つとなっている。

星★になる(ほしになる)
生育過程に限らず、カブトムシ、クワガタが死んでしまう事。

ホダ木(ほだぎ)
一般に、椎茸栽培に使用される木材、または栽培に使われた廃材のこと。クヌギ、コナラが多い。

マ行

マット(まっと)
クヌギやナラなどの広葉樹の朽木を粉砕したもの。成虫飼育の床や幼虫のエサに使われる。一般的には分解が進んだおがくずを指す。

マット飼育(まっとしいく)
醗酵マットで幼虫を飼育する方法。ほとんどのクワガタ・カブトの幼虫が飼育できるが、一部のクワガタについては菌糸ビン飼育の方が大型に育つものがある。

繭玉(まゆだま)
特定の種類のクワガタやカナブンなどの蛹室。やや楕円形の球体状の蛹室を作りその中で蛹化、羽化する。特徴として一般的な蛹室と異なり、蛹室を破壊することなく飼育ケース外に取り出すことができる。

メイトガード 
♂が交尾相手の♀に覆いかぶさるように守る様子。他の♂による♀への接触を避け、自分の遺伝子のみを残そうとする行動。ペアリング成功の目安にもなる。

♀殺し(めすごろし)
元々の気性や環境要因により同居しているオスがメスを殺してしまう事。同居ペアリングで発生することがあり、ヒラタクワガタなどを筆頭に起こりやすい種とそうでない種がある。

持腹(もちばら)
野外採集の雌を飼育下で交尾させずに産卵させること。野外採集の雌固体は採集前に自然界で交尾済みのものが多く、ペアリングをせずとも産卵する場合がある。

ヤ行

蛹化(ようか)
幼虫が蛹(さなぎ)になること。

蛹化不全(ようかふぜん) 
幼虫が蛹に変態する過程で何らかの原因により、不完全な形で蛹化する事、または蛹化しきれず歪な形態となること。その多くが羽化までたどり着かず死亡する。

蛹室(ようしつ)
幼虫が蛹(さなぎ)になる際に作る部屋で、成虫になり野外活動を始めるまでこの部屋に留まる。

ラ行

卵室(らんしつ)
♀が産卵のとき、卵を産む際に作る小さな空洞。卵よりふたまわり程、大きな部屋で、卵はここで孵化する。種により大きさなどは異なるが総じて卵室がなくとも孵化する事が多い。

累代飼育(るいだいしいく)
1対のペアから生まれた子を何代にもわたり飼育すること。飼育第一世代の子をF1,第二世代の子をF2などで表しますが累代表記については統一規格がありません。

霊芝材(れいしざい)
マンネンタケの栽培に使用した後の材。主に使用用途としてカワラタケと相互互換の関係にある。他の材に比べコストが高いことが多い。

露天掘り(ろてんぼり)
蛹室を崩落させないように上部のマットをスプーンなどですべて取り除き、蛹室内部を上部から見える状態で露出させること。蛹室のチェックが必要な際や湿気を逃がす目的で行われることが多い。

ワ行

WF1(ワイルドえふわん)又はWDF1
天然個体の子孫。
業界で使用されるが統一規格、単位ではない。

割り出し(わりだし)
産卵木を割って卵や幼虫を取り出すこと。
産卵セットのマット中にいる卵や幼虫を取り出すことも含む。

ワンダリング
幼虫が前蛹になる前に、蛹室に適した空間を探し回ること。激しい種になるとケースの縁をよじ登るかのように直立したりする。